三重県 倶留尊山(くろそやま) 奈良県 曽爾高原

秋も徐々に深まってきた頃でした。四回目の登山をどこにするか検討しました。

ガイドブックをパラパラとめくっていると、印象的な写真がありました。

開けた山腹の一面に、樹木がなく春から初夏には新緑が、秋にはススキが広がっている草原の光景です。

何度か見たことはあった光景であったのですが、それがどこで、なんという名の場所なのかは全く知りませんでした。

写真だけでも壮大な雰囲気が伝わります。ぜひ、自分の目で見てみたいと思いました。

その草原(高原)は 曽爾高原 という場所で三重県と奈良県の県境の奈良県側にある事がわかりました。

付近の倶留尊山と曽爾高原をめぐるルートで登山を計画しました。

そういえば、以前職場の方が「”ソニコウゲン”っていいところだよ。」 と言っていたっけと思い出しました。

調べてみると、 倶留尊山 は、前回登った青山高原が属する布引山地の南側に位置する、 室生山地 にある山だとわかりました。

室生山地の最高峰が 倶留尊山 1037m です。登りなれた方には、なんてことはないのでしょうが、1000mを超える山は初めてで、少しわくわくとともに、大丈夫なのかと若干不安にも。

三重県側の中太郎生から池の平へ車でアプローチし、登山口~亀山峠~曾爾高原~ニホンボソ~倶留尊山~三岩~西浦峠~池平~登山口 と、ほぼガイドブックそのまんまのプランとしました。

三重 俱留尊山 所在地概略図

 

当日、いざ倶留尊山・曾爾高原へ

天気はこれまでと異なり快晴でした。

国道368号線の中太郎生バス停から、池の平へ向かって車で登ります。かなり細い道ですが、舗装はされているためゆっくり進めば問題ありませんでした。

池の平近辺から右手を見ると、かなりの断崖絶壁の山並みが迫ってきました。幾つか尾根にピークがありましたので、どれかが倶留尊山なんだなと思いつつ先に進みます。

さらに進むと、今は営業していない?雰囲気の クロソ山荘 という山小屋?が見えてきました。道沿いと、登山口すぐに数台は駐車が可能でいたので、そこに車を停めて準備にかかりました。

三重 倶留尊山 登山道案内板

登山口にある案内板です。出発は10時ごろになりました。

三重 倶留尊山 登山道亀山峠へ

杉林の道を進みます。緩やかということはないですが、危険な箇所はなく順調に進みます。

突然視界が開けます。亀山峠に到着。

亀山峠から、曾爾高原を眺めます。

正しくこれですよ。雑誌や本に掲載されている光景です。これが見たかったんです!!。

三重 倶留尊山 亀山峠から眺める曾爾高原

写真内の左下が「お亀池」、右奥が「国立少年自然の家」手前にはススキが見えます。奥は室生山地の山々(屏風岩含む)です。

三重県側からの登山者は少ないのですが、奈良県側からは小学生?らしい団体も含めて多くの方がこちらに登ってきます。

ここにいくつかベンチがあるので少し休んで軽食を取りました。ここまで登山開始から1時間弱で到達しました。

これからたどる尾根・倶留尊山方面を眺めた写真が次です。天気もよくて絶景です。

三重 倶留尊山 曾爾高原

尾根伝いに進み、今度は、逆に亀山峠を振り返ります。こちらも絶景です。

三重 倶留尊山 曾爾高原

さらに登っていくと、開けた草原は終わり、林に分け入っていきます。名残惜しいですが、最後にもう一度振り返り写真をとりました。

三重 倶留尊山 曾爾高原

しつこいですが良い景色です。草原部分と植林部分がスッパリと分けられている光景は不思議な感じでもあります。

林に入ってしばらく尾根を進むと小屋があります。しばらくは私有林とのことで入山料を払います。(といっても、無人でポスト風の料金箱に500円玉を投入するだけ)

三重 倶留尊山 曾爾高原 入山料料金箱

さらに少し進むと、ピークに至ります。ここは、倶留尊山ではなく、「二本ボソ」と呼ばれるピークです。

眺めはむしろ後の俱留尊山山頂よりも、ここ「二本ボソ」の方が良かったです。

三重 倶留尊山 曾爾高原 二本ボソ

三重 曾爾高原 二本ボソから眺める俱留尊山

ここからは、目指す倶留尊山を見ることができます。ここまで亀山峠から20~30分程度。ここで昼食にしました。

昼食後は、俱留尊山に向けていったん尾根を下っていきます。再度少し上ると倶留尊山に到着。

三重 倶留尊山山頂

先ほどの二本ボソまでは、登山者がいましたが、そのまま曾爾高原へ引き返していく方が多く、俱留尊山山頂はやや寂しい様子です。

三重 倶留尊山から 曾爾高原 二本ボソを振り返る

俱留尊山から、二本ボソを振り返ります。(その左奥にほんの少し曾爾高原も見えます。)

ここからは、林の中の尾根をゆっくり下っていきます。危険はないのですが、開けた尾根で若干道が分かりにくいことがありました。

途中で三ツ岩への案内があります。

三重 倶留尊山 曾爾高原 三岩案内

看板から2-3分で到着します。突然三重県側の景色が開ける絶景ポイントです。

三重 倶留尊山 三ッ岩からの展望

が、足場は崖に突き出した畳一枚分ぐらいの広さです。写真ではわからないのですが、笹の奥は断崖です。怖い・・・。

いわゆる「高度感」ってやつでしょうが、苦手です・・・。風景自体は最高なんですが。

三重 倶留尊山 三ッ岩からの展望

三ツ岩から南を眺めた図です。左が三重県側、尾根より右が奈良県側です。

奈良県側が、曽爾高原のようになだらかな斜面であるのに対して、三重県側は、このように断崖です。

三重 倶留尊山 三ッ岩からの池の平を眺める

三ツ岩から、車で通ってきた池の平を眺めます。台地状に開けています。三重県側の眺めも悪くありません。

ここで、13時。

この後、西浦峠から本格的に杉林を下っていきます。道迷いするようなポイントはなく池の平まで下ることができました。

車で通りすぎた池の平を徒歩で登山口まで戻ります。

三重 倶留尊山 池の平のススキ

池の平のススキがきれいでした。登山口には14時30分ごろ無事に到着しました。

まとめ・感想と反省

天気がとても良く秋の曾爾高原を満喫できました。登山道は途中一か所、ロープが張ってある場所がありましたが、それ以外は危険を感じるポイントはほとんどありませんでした。

登山口から亀山峠までは思いのほかすぐに到着するので、曾爾高原を眺めて達成感に浸ってしまいましたが、その後が長く感じました。

曾爾高原を降りて、お亀池の周辺を散策しても良かったなと勿体無い思いが残りました。

自分が訪ねた時期はすでにススキが刈り取られてしまっていましたが、刈り取り前も素晴らしい光景とのこと。

また、3月に野焼きを行うようで、その後の新緑の鮮やかな時期も格別とあります。

近くに長い間住んでいながら、知らない名所がたくさんあるのだと感激しました。

三重県側は断崖で、まさかその裏の奈良県側にこのような景観のポイントがあるとは!。実際、登山客のほとんどは奈良県側からのアプローチのようでした。

また是非訪れたい山でした。

 

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