三重県 御在所岳

次の山をどこにすべきか考えていた時に、三重県の山なら

御在所岳(1212m)

は外せないとは思っていました。

いつかは登らなくてはと思っていました。

最近まで、自分の中では、「三重県唯一のスキー場がある山」

で、「ロープウェイで山頂に行ける山」

という程度の理解でした。

新・分県登山ガイド 三重県版 山と渓谷社 によれば、

体力2 危険度2

とこれまでよりは高難易度が示されています。

まだまだ、初心者である自分には厳しいのではないかと躊躇していました。

そんな時、

妻「御在所岳、私、学生の頃に登ったけど。しかも、ルートを変えて合計6回。」

自分「えっ?、6回?。それロープウェイ使ったとかいうオチではないよね・・・。」

妻「学校の遠足ということでみんなで行って登ったよ。」

自分「遠足ね・・・。」

これで決まりました。

御在所岳にしよう!

御在所岳(ロープウェー)の公式のHP「御在所ロープウェイ」さんを検索すると、確かに登山コースはたくさんあるようでした。

が、いずれも同等の難易度が示されていて、どれかが特別初心者向けというわけではなさそうでした。

どうしたものか、悩みましたが上記ガイドにも記載されていた通りのルートを予定しました。

つまり、

登り; 中道(なかみち)

下り; 裏道(うらみち)

を用いた周回コースを行くことを決心しました。

三重県御在所岳 所在地概略図

 

御在所岳へ

朝、早めに出発。鈴鹿スカイラインへ通ずる 国道477号 を西へ登っていきます。

トンネル直前の駐車スペースに止めるつもりでしたが、すでに一杯。

トンネルを超えてすぐの真上にロープウェイを望む駐車場へ向かいました。

幸い、そこはまだ空きがあり。装備を整えます。

湯の山温泉街へいったん降りてゆきます。(実はそのまま国道を登ったほうが早かったのですが)

三重 御在所 湯の山温泉街

温泉街を貫く渓流の音を聞きながら、

中道登山口へ向けて舗装路を登っていきます。

登山口近くにも大きな駐車場がありました。

そこにもたくさんの車が止まっていました。

御在所岳 国道477号からロープウェイを見る

駐車場近辺からこれから上る御在所岳とロープウェイを撮影。

皆、同じように「中道」の登山道を目指しているようでした。

これまでの登山口とは異なり、登山届のポストもしっかり設置されていました。

登山口には準備不足状態での安易な登山を戒める看板がありました。

必然的に緊張感が高まります。

「なんか、マズイところに来てしまったのではないか・・・。」とやや不安に。

そう思うと、周囲の登山者が皆、ものすごく上級者に見えてきます。

靴紐をしっかり結びなおしていよいよ登山開始。

いきなり急な斜面が続きます。

掘割?と呼ばれる窪んだ登山道です。

表面は岩と砂のちょうど間のような感じで滑りやすく、すぐに息が切れます。

先を行く登山者たちはあっという間にいなくなって置いて行かれてしまいました。

それでもなんとか休み休み登り続けると、開けた場所にでました。

その上には山頂に向かうロープウェイが通っていました。

御在所岳 中道からロープウェイを見る

ここでしばし休憩。下からやってくる年配の方にサクサクと抜かれていきます。

ここから先は、ゴロゴロした大きな岩場の尾根を行きます。

アップダウンが激しく、手で岩をつかみながらの道が続きます。

途中、大きな岩が二枚合わさったような通称「負れ(おばれ)岩」を通過。

御在所岳 おばれ岩

(近寄りすぎて大きさが分かりにくいですが、かなり大きい岩が、2つ寄りかかるようにつきささっています。)

岩場を振り返って一枚写真を。(岩の間に後続の登山者の方が登ってきています。)

御在所岳 中道 登山道

地蔵岩を通過します。とても不安定な様子。自然に浸食されてこのようになったとは、びっくりです。

御在所岳 地蔵岩

それを過ぎると、有名な「キレット」と呼ばれる、鎖が設置された急な下りに到達。

写真撮りたかったのですが、ビビってしまい断念。

高所恐怖症っぷりが発揮されてしまいました。

ビビって腰が引けると、バックパックが引っかかったりして余計に危ない・・・。

「もうイヤだ・・・。」と、泣き言をいうにも、おひとり様登山でありどうしようもありません。

なんとか、クリアすると、その先にも、「一歩踏み外すと奈落」的な道が続きます。

(トラバースというらしいです。山腹というか崖を「横切る」という意味。)

それも何とかやり過ごし、息も絶え絶え最後の力を振り絞ります。

が、またも壁。高さは2-3m程度ですが、ロープが垂れ下がる垂直(ビビりの自分にはそう見える)な岩の壁です。

「はあ…。」

すでに、足や手の力は使い果たして、手も足も「カクカク」状態

そこへ、上から声をかけてくださる女性が現れます。

「気を付けてね。ここでは、ストックは、しまった方がいいよ。」と。

そういえば、まったく忘れていました。そそくさとバックパックに収納し、

全腕力を振り絞ってよじ登ります。

女性は、さっそうと同じ場所を下って行かれました。唖然です。

お礼を言って、ふと前を見るといきなりの舗装路出現。

あっけない感じで、山上公園に到着しました。

御在所岳 山上公園からスキー場を眺める

舗装路を歩いてゆくと、スキー場の先に御在所岳の頂上が見えます。

さらに進むと、ロープウェイの駅やレストラン、トイレ等が広がります。

天気も良く、ベンチもありましたので、その場で昼食としました。

持参したコーヒーがとてもおいしい。(いつかはバーナーでお湯を沸かしコーヒーを淹れたいものです。)

時間をかなり取ってしまったので、昼食・休憩は短時間とし、

スキー場のリフトの下をくぐって山頂へ向かいます。

御在所岳 山上公園マップ

山頂の案内図です。さらに奥もありましたが、今回は断念。

御在所岳 滋賀県三重県県境

当たり前ですが、鈴鹿山脈は、三重県と滋賀県を分かつ山脈です。

御在所岳 山頂 一等三角点

平らな山頂です。記念撮影をされる他の登山者(ロープウェイで登ってきた方の方が多そうですが)もたくさんみえました。

御在所岳山頂から琵琶湖を眺める

琵琶湖が遠くに見えます。

さて、登りに時間を使ってしまいあまり時間がありません。

「ロープウェイで下ると楽だぞ。」という悪魔のささやきも聞こえましたが、

「裏道は中道よりなだらかでファミリー向けである。」との話を信じて裏道に突入。

前半は、掘割の登山道を下る感じでしたが、

その後はひたすら、大きな岩が転がる谷に沿って下って行きます。

この道は、2008年の豪雨によりそのほとんどが壊滅的被害にあり、現在のような状況になってしまったそうです。

途中、右手には「藤内壁」という、ロッククライマーの方々がチャレンジする名所を眺めることができます。

岩の河原に出てしまうと、視界は広がりますが、辿るべき道がハッキリしません。

道に迷う危険もありましたが、しっかり見てゆくと、赤ペンキやケルンが要所要所にあって

なんとか下っていくことができました。

山の夕暮れは早く、15時ですでに林の中は薄暗く、早く下山しなければと焦りそうになりましたが、

ここで焦るとけがの危険もあると考え務めて冷静に慎重に下りました。

長い長い道のりでしたが、何とか、日没までに駐車場にたどり着けました。

御在所岳 反省と感想

三重県を代表する山、御在所岳というだけあって初心者かつビビりの自分には、非常に手ごわかったです。

山頂からは、三重県側の伊勢平野・伊勢湾が、滋賀県側には琵琶湖が展望でき素晴らしい眺めです。

今回自分が通った中道の登りでは、自分にとっては余りトレッキングポールの有用性は高くありませんでした。

むしろ、最後の親切な女性のアドバイスの通り無いほうが良いし安全だったと思いました。

状況に応じて柔軟に使用しなければと実感しました。

また、鎖やロープのある場所での基本的な身のこなしというか、体の捌き方を身に着ける必要も感じました。

講習等にも参加してみようかなあと。

しかし、やっぱり「高いところは苦手」です。

まだ、別の登山道から紅葉のシーズンにでもチャレンジしてみたいと思わせる御在所岳でした。

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