前回、入道ヶ岳 では、ヒルに取りつかれるというトラブルはあったもののそれほど急峻な山ではなく高所恐怖の自分としても気楽に登ることができましたし、抜群の展望で、心洗われる気分でした。
前回同様に鈴鹿山脈の山に登りたいなあとかんがえました。秋という季節を考えると早めに北の方の山に登っておこうかと思い
御池岳
に登ることにしました。
おなじみ県別ガイドによると、危険度も高くないようです。(御在所以来、ビビってます。)ですが、標高は1247mと、鈴鹿山脈では最も高い山になります。
御池岳は、鈴鹿山脈のかなり北の方で滋賀県と三重県の県境に位置します。南の藤原岳と同様に、石灰岩でできている山(すべてではないですが)とのこと。
昔、学校で石灰岩の多い地方では、浸食により特徴的な地形ができると習ったのを思い出します。
確か、山口県のカルスト台地(秋吉台)とか、鍾乳洞とか。
御池岳でも、「カレンフェルト」とか「ドリーネ」とよばれる地形があるとのことでした。それらもしっかり見てこようと計画しました。
三重県いなべ市(自治体)の公式HPに、御池岳や藤原岳の登山道情報や、マップが掲載されています。参考にしました。
三重県いなべ市トップページ>観光>藤原岳; このページに以下の登山マップや登山道の情報へのリンクがあります。
三重県いなべ市トップページ>観光>藤原岳>藤原岳登山マップPDF;
これも「藤原岳マップ」の名前ですが、御池岳付近も含まれていて初心者には見やすく便利です。
鞍掛峠登山口~鞍掛峠~鈴北岳~御池岳~ボタンブチ~来た道を帰る というルートを予定しました。
いざ、御池岳へ
国道306号線をひたすら北上。この道は、最終的に「鞍掛トンネル」を越えて滋賀県に抜ける道です。
途中、「鞍掛トンネル通行止め」の表示に少し焦りましたが、トンネル直前の登山口に向かいます。
くねくねとしたいかにも山道ですが、しっかり舗装された道を進み、高度も上がっていきます。
トンネルの前に工事車両や、警備員の方がいてどうやら本当に通行止めの模様。
トンネルの本当に直前のエリア(ここか奥が登山口)は、工事車両などが止まっており駐車はできませんでしたが、国道沿いやや下ったところには5-6台車が止められるスペースがありましたのでそこに止めます。
10時に行動開始。
トンネル直前の広場から左に入ると、鉄製の歩道橋があり、その奥に登山届ポストがありました。
そこからしばらくは、林の中をひたすら登ります。砂と落ち葉が浮いて若干滑りやすいところもありましたが、危険を感じるところまではいきませんでした。
30分弱登ると、鞍掛峠に到着しました。ここを左折し鈴北岳方向へ向かいます。
稜線上の三重県側は開けていて景色もまずまずです。
右が三重県側(開けています)、左が滋賀県側(木々であまり見通しは良くない。)
少し上ると、木々が少なくなり尾根も平坦になってきました。
さらに歩くと、いったんピークとなり少し下りに入ります。その先には、目指す鈴北岳が見えます。頂上は平坦で広そうです。
せっかく上ったのに、また下って登るのか・・・。ですが、この日は、暑くなく広々とした景色があり苦になりません。
12時前には鈴北岳山頂に到着。
鈴北岳から滋賀県方面や琵琶湖が良く見えます。(この日は若干もやがかかっていましたが。)
鈴北岳山頂からは、琵琶湖の奥の比良山地(比叡山等がある山地)まで見えます。
さらに、これから向かう御池岳方向を眺めると、緩やかな丘(台地)のような光景です。標高1000mを超えた場所にこのようななだらかな台地が広がっているのが不思議ではあります。
ここから御池岳までの間には、いくつもの窪地(数メートルから20メートル位)が点在しています。
いくつかは水が溜まって池になっています。平らな台地に、すり鉢状の窪みは確かに特徴的な地形でした。
(良い写真が取れず・・・。)
苔むした平原を突っ切っていきます。
広らけすぎて少し道が分かりにくいですが、道標通りで大丈夫でした。苔の緑が非常にきれいです。が、木々は落葉してしまって少し寂しい感じ。
苔の緑が非常にきれいでしたので一枚写真を。
少し進むと、分岐にきます。直進すると下山(真の谷へ)行きます。右折して御池岳を目指します。
この付近には、白いキク科??のような花がたくさん咲いていました。
自分なりに調べたのですが、この花の名前はわからず・・・。
ここからもうひと登りで、御池岳山頂に到着です。ここで12:25分でした。
展望はそこそこの山頂です。岩に座って昼食を取りました。
食後、展望がよいとされるボタンブチへ向けて出発します。
道は岩が柱状に露出し特徴的な地形になっています。どうやら、これをカレンフェルトと呼ぶのか?。
ごつごつした岩場で歩きにくいですが、緩く下っていきます。
台地から滋賀県側に突き出た見晴らしの良いポイントに到達。ここがボタンブチかと思いきや、少しさきに同じく展望のよさそうなポイントがありどうやらそちらが本当のボタンブチの模様。ここからも、琵琶湖や滋賀方面がきれいに見えました。
もう一息歩くとついにボタンブチに到着。断崖ですが、絶景です。
ボタンブチから、先ほど来たポイントや琵琶湖を振り返るとこんな感じ↓です。もう少し奥まで行けるのですが、やはりあまり前からは・・・。
絶景を満喫。13時過ぎに、岐路につきました。
ボタンブチから御池岳山頂まではなだらかな斜面の台地が広がっています。
秋の少し物悲しい感じも良いですが、これまた、新緑の季節だったらまた違う良さがありそうです。
三重 御池岳 の感想と反省
かなり距離はありましたが、登山口の標高が600m程度あるおかげであまり苦しくなく登山できました。登山口から鞍掛峠までの登りが一番きついポイントです。あとは、鈴北岳山頂の直前も勾配がきつく感じました。それ以降は、なだらかな登り降りの連続です。危険を感じる箇所は特にありませんでした。
これまで登った他の三重県の山とは、雰囲気がガラリと違うと感じました。その第一の要因は、やはり高い木が殆どない平坦な台地上の地形です。
草原のところどころには、なだらかな窪み(ドリーネ)があり、一方で、ところどころに露出する変わった形の岩(カレンフェルト)も、いつもの登山とは違う雰囲気の原因だったかもしれません。
季節に応じて見どころがたくさんある山だろうなあと感じました。実際、冬場に訪れる方も多いようです。(冬山の装備・経験のある方限定でしょうが)
今度は、春~初夏に登山してみたいと思いました。
追記
これまで、三重県側からの視点登山情報を収集することが多かったのですが、後日御池岳に関していろいろ調べていると、滋賀県側の自治体のページもいろいろと参考になりました。
「鈴鹿セブンマウンテン」という名称はよく聞きますが、東近江市のHPには「鈴鹿10座」なる鈴鹿山脈の10の山々の選定されたとの記載がありました。
HPによると、今後徐々に登山道を整備してゆくとか。 以下、東近江市HP より引用。
鈴鹿10座の認定について
鈴鹿山脈から供給される豊かな森林資源や水資源! 鈴鹿10座を認定(平成27年9月)
東近江市制10周年にあたり、鈴鹿山脈の素晴らしさと存在意義を広く周知するとともに、ここから供給される豊かな森林資源や水資源を、次世代に継承することを目的として、平成27年9月に、東近江市の数ある鈴鹿の山峰から10座を認定しました。
この選定は、知名度のある山峰だけを選定するものではなく、琵琶湖へ流入する代表的な河川である愛知川の集水域の要を成し、古くから人々に親しまれてきた山峰を評価することにより、「東近江らしさ」が強調できるものとして、山岳遭難対策協議会知識経験者、警察、消防、観光、地元代表などから組織した16人からなる「鈴鹿10座プロジェクト委員会」で選んでいただいたものです。「東近江らしさ」とは、
[1] 東近江市から登ることができる山であること。
[2] 鈴鹿山脈の北部、中部、南部の異なる地質や植生など特徴を表している。
[3] 歴史、文化など古くから人々の生活にかかわりが深いこと。
[4] 愛知川の源流となる御池川、茶屋川、神崎川、佐目子谷川、渋川それぞれの集水域の要となる山であること。
御池岳、藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳、イブネ、銚子ヶ口、日本コバ、天狗堂 の合計 10山だそうです。
これら、東近江市の10山の位置関係を示したマップも、同上HPに掲載されていました。滋賀県側からの登山もなかなか楽しそうです。
滋賀をはじめとした関西方面からの認知度も上がってくるのでしょうか。